第3章:初心者が初めて株を買って失敗したリアルな話〜「下がってからでは遅かった」私の後悔
証券口座を開き、初めて“買い注文”のボタンを押したあの日のことは、今でも鮮明に覚えています。
あのとき選んだのは、テレビCMでもよく見る某飲食チェーンの株。理由はただひとつ、「知ってる企業だから安心そう」でした。今思えば、それは“安心”ではなく“油断”だったかもしれません。
株価は1株あたり800円。単元未満株(1株単位)で購入したので、大きな金額ではありませんでしたが、それでも画面に「保有株:1」の文字が表示された瞬間、手が震えるほどドキドキしたのを覚えています。
「買ったらすぐ上がる」と思っていた、甘すぎた期待
株を買った翌日、私はスマホを手に何度も株価をチェックしました。「値上がりしてるかな?」「1日でどれくらい変わるんだろう?」
しかし、そこに待っていたのは無情な数字。
前日比:-32円(-3.9%)
ショックでした。「昨日買ったばかりなのに、こんなに下がるなんて…」頭の中が真っ白になったのを覚えています。
でも、そこからが本当の“投資の学び”の始まりでした。
初心者がやりがちな3つの失敗
私は、いわゆる「株式投資 初心者 失敗例」の教科書のようなミスを、きっちり経験しました。これから投資を始める方のために、その典型例を紹介します。
- 理由もなく“有名企業だから”というだけで購入
企業分析もせず、株主優待や配当情報も知らず、「なんとなく安心感」で買ってしまいました。 - 値下がりしても、冷静に損切りできなかった
「そのうち戻るでしょ」という希望的観測で保有し続け、気づけば評価損益はマイナス30%近くに。 - チャートやニュースを見ずに“感覚だけ”で売買
相場の空気やタイミングを読まず、「今買えば儲かるかも」と自己流の判断。
こうした失敗の裏には、初心者ならではの“過剰な期待”と“知識不足”があります。
「売れない心理」が最大の敵だった
投資の世界では「損切りが大事」とよく言われます。理屈ではわかっていました。損を小さく抑えて、資金を次に活かす。
でも、いざ自分の株がマイナスを記録しているのを見ると、心がざわついて、売る決断ができませんでした。
「いつか戻るかもしれない」「ニュースでいい材料が出るかも」――でも、それはただの願望にすぎなかったんです。
結果として、その株は2ヶ月でさらに下落し、損失は購入金額の半分近くに。評価損益を見るたびに自己嫌悪に陥り、しばらくアプリを開けなくなりました。
失敗から学んだ3つの教訓
この苦い経験から、私は次の3つの大切なことを学びました。
- 1. 情報をもとに判断せよ
“知ってる”だけでは株は選べない。財務状況、事業内容、業績予想、PERや配当利回りなど、最低限のファンダメンタルズをチェックすべき。 - 2. 感情で売買しない
怖いから売る、欲しいから買う――ではなく、ルールを事前に決めて機械的に行動する。 - 3. 小さく始めて、失敗から学ぶ
最初から大金をかける必要はない。損失があっても“授業料”と思える範囲で練習する。
初心者が気をつけたい心理的バイアス
- プロスペクト理論:損失の痛みの方が、利益の喜びよりも大きく感じる
- 現状維持バイアス:含み損を抱えても決断できない
- 後悔回避:失敗したことを認めたくない
こうした心理に負けない「ルール」を作ることが重要です。
「投資はギャンブルじゃない」と言えるようになった日
今振り返って思うのは、投資に失敗したことは“損”ではなく“学び”だったということです。
損をしたことで、「なぜその株を買ったのか?」「どう判断すればよかったのか?」を真剣に考えるようになりました。
だから私は、これから投資を始める誰かにこう言いたい。
投資はギャンブルではない。勉強して実践すれば、誰でも“味方”にできるものだ。
まとめ:最初の失敗が、投資力の土台になる
第3章では、私が初めて投資をして失敗したリアルな体験と、そこから得た気づきをお話ししました。
損失は痛い。でも、その“痛み”こそが、次の成功のための土壌になります。スポーツも勉強も、うまくいかない時期があるからこそ強くなれる。投資も同じです。
あなたがもし、今「損してしまった…」と落ち込んでいるなら、大丈夫です。それは、未来の自分が成長するために必要な経験。
次章では、私がどのように「投資を勉強」し直したのか、YouTubeや書籍、実践ノートなどを活用した“学び直し”の方法を紹介します。
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